(産地の声)vol.1233 <春は恵みの季節> 2016.3.17
おかげさま農場の片岡です。高柳場長から頼まれ今回で3回目の登場です。
春の三寒四温というのでしょうか、寒い日が続いたと思ったら暖かい日が続き
ます。私は暖かい日が続くと「桜が咲いてしまうのではないか?」と余計な心配を
してしまうのですが、また寒さがぶり返し・・・と、私の思いなど関係なく春は一気に
来るのではなく、少しずつ歩みを進めています。
畑では青々とした小麦が一面を多い、また放置していた冬の小松菜からは菜花が
咲き始めました。薄紫色のホトケノザや可愛らしい青い小さなオオイヌノフグリ
などがあちこちで咲き、テントウムシに出会うことも多くなりました。
一方で、昨年、たまたまカマキリの産卵シーンに出くわしたのですが、その卵は
未だ動く気配がありません。これが自然の凄いところと思うのですが、冬眠から
目を覚ました虫達が卵を産み、その卵が孵ってあちこちに虫が出始める頃になって
ようやく捕食動物であるカマキリやクモの卵は孵るのです。自分たちのエサとなる
虫達が野に溢れる頃になるまで、じっと卵の中で待ち続け、タイミングを合わせて
卵から出て来るのは一体どういう仕組みなのでしょうか?本当に凄いな~と思います。
また、野菜に目を向けると今の時期は一年で最も野菜の種類が少ない時期です。
冬野菜が終わりを告げ、春野菜が出てくるまでの端境期(はざかいき)であるため
トンネルやハウスを使うなど、人間の手を加えることで野菜の種類を確保している
のです。
しかし、野山に目を向けると違った風景が見えてきます。ふきのとう、つくし
ヨモギ、タラノメ、柿の若葉、タケノコ等々、次々と春ならではの野草・山菜が
姿を現します。人間の視点では今は野菜の種類が少ない時期と思える季節ですが
自然界は春の恵みが溢れている季節なのですね。
この春の命はほろ苦いものが多いのですが、そのほろ苦さが冬に体に溜め込んだ
毒素を出してくれるとも言います。旬のものを食べよう、命の恵みを頂こう、と
頑張ってあちこち探し回らなくても、自然界に目を向ければ、そこに当たり前にある
命こそが、その季節に必要な食べ物なんだな~、と思う今日この頃です。
おかげさま農場・片岡弘充
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