たかが大根されど?

(産地の声)vol.1223    <たかが大根されど?>     2015.12.23

 

 今日は天皇誕生日だったが一日中暗くなるまで大根の収穫、荷作りだった。本来休日というのは、その記念することを想い顧みる日なのだろうがそうもいかない。

 

 私の作る大根は三浦大根で、これが抜きづらい大根なのだ。たくあん大根も力のいる抜きづらい大根なのだが、その次位抜きづらい。たくあんや三浦からすると青首大根は片手で抜けるようなものだ。

 しかも三浦大根というのは、生育が揃わない。青首大根はきれいに生育が均一に育てることが出来るのだが、どういうわけか生育がでこぼこで大きかったり小さかったりする。斜めに成長したりもする。もう一つの欠点は、うっかりすると葉の首のところがもげてしまうのだ。

 それだけつくりづらい品種なのに、美味しい。煮物にしたら一段とおいしさを感ずる。直売所の客さん曰く「この大根食べたら他の大根食べられないね!」という。ちょっと大げさな感じもするけれど良くわかるのです。

 昨日千葉市の方からお客さんが来たので、畑に案内して大根抜きをしてもらった。大きく育った三浦大根を抜いて「こりゃすごい!」。で、包丁で切った大根を直に食べて「うまい!」「生で食べて味のわかる人はベロメーターがある人だ」「野菜を生で食べるとほんとうの味がわかる」

 家に戻り昼食をとりながらの懇談になっての話-「おかげさま農場の野菜は美味しいです!」と。日本料理屋さんなのだが東京まで行って野菜を売ってもいるという。私は知らなかったが、おかげさまの野菜を使って、レストランもやっているという。さらに野菜の美味しさを知ってもらおうと野菜販売もやろうと言うのだ。

 嬉しい話だが、それよりもホンモノの野菜の味というか自然の力で育った野菜の醍醐味を知ってほしい。今の日本人は自分で調理しない、出来ない人が増えている。日本料理が世界文化遺産に指定されて、肝心の日本人ができないなんておかしいよね。と言う話になった。

 文明は利用することが出来るけれど、文化は営みの中にある。「日本料理が出来ない日本人なんて滑稽な話だね」「伝統と文化は引き継ぎ、身につけ、そして伝えて行くものだよね」「作る楽しみ、そして喜んでもらえる、そんなところに調理することの意味合いがあるんではないか」etc

 夕方暗くなるまで話は尽きず、心の通う一時だった。

                                 おかげさま農場・高柳功

 

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コメント: 1
  • #1

    角井秀和 大矢部教師 (木曜日, 04 7月 2019 14:07)

    しょうもない