長雨、台風、災害

(産地の声)vol.1208   <長雨、台風、災害>        2015.9.9

 台風18号は私達の仕事を邪魔してます。長い時間をかけて雨続きなので毎日

稲刈りが全く進みません!。仮に一時雨が止んでも、稲に葉つゆがしっかり着いて

いてコンバインが使える状態ではありません。また、長雨で地盤が緩んでいるので

機械がのめり込んでしまうことを考えると「何時になるのか!」とため息をつきつ

 

つの毎日です。

 

 畑の成りものもこの天気では一向に太りません。また無理して収穫したナスは一

本一本タオルで拭いている始末です。濡れたままのナスは痛みます。

 7月の10日間に及ぶ長雨も夏野菜に大打撃を与えましたが、今回の長雨も夏野

菜を終了させる天候となりそうです。

 今日のニュースでは18号台風と17号台風の影響で日本列島の真ん中は豪雨続

きで避難指示の市町村があちこちに出ています。集中豪雨のせいもありますが、人

間の行為の結果もあるのではないか、と思われるところもあります。

 地域開発と称して山を崩し、自然環境を破壊しながらの開発のせいもあるのでは

ないか、と思うのです。広島県の集中豪雨では広範囲に土砂崩れが起こり、大きな

被害が出ました。その原因は元々崩れやすい土質であり、さらにその際まで宅地開

発をした結果だったと言うことになるでしょう。

 一方で都市の洪水も自然本来の姿なら、地下浸透や土壌に含水するものがコンク

リートや舗装と言った形で雨水を遮断し全てを地上にとどめてしまいます。水田だ

ったら、10アールで10センチの水深で100トンの水が保持できます。水田が日

本の地形を保ってきた。水田は小さなダム機能を持っているとはよく言われてきた

ことです。それが作り手がなく荒れ放題になってくるとひび割れや畦の崩壊によっ

てその機能が失われ下流域に一気に放流されることになります。

 鹿児島県は石造りのめがね橋が多いところですが、石橋作りの技もさることなが

ら数百年保ってきた橋も近年の激流に絶えかねて壊して立て替えると言うことがあ

りました。

 それは、橋の問題でもありますが上流の開発によって一時保水能力をなくしてし

まった為とも言えます。先人が地形や自然の力を考慮して災害から守ってきた造

形、知恵を無視してきた結果とも言えるのではないでしょうか。人間本位で、目先

の利を求めることをやめて自然と語りあうという先人の知恵から学ぶことも大切な

のではないかと思うのです。   

                       byおかげさま農場・高柳