食品表示法が4月1日に施行されて

(産地の声)vol.1203 <食品表示法が4月1日に施行されて>   2015.8.5

 

 消費者は、ほとんど知らずに命に関する法律が改正されています。ジャーナリストの天笠啓祐氏によれば、「新しい食品表示法のポイントは、栄養成分表示の義務化と機能性表示の開始なのであるが、消費者や農家の求めた加工食品の原産地表示、食品添加物の表示の厳密化、遺伝子組み換え(GM)食品の厳密化は検討さえ行われなかった。」というのです。

 

 企業の側からのことばかり取り上げ機能性食品の表示ができるようにして、本当の知りたいことには蓋をしたままといえます。TPP交渉をにらんで検討会設置を遅らせているとは考えたくもないが・・・」と氏は論じていますが、それが本当のところでしょう?!。

 厚生省が農薬殺虫剤のネオニコチノイドの規制を緩めたり、食品の出所をはっきりさせないような対応をするのは、要するに米国標準に日本標準をあわせると言うことに他ならないからです。

 TPPにしても先週も書きましたが、既にMA米と称して77万トンを必要かどうかは関係なく輸入義務としている現状に対して、更に買えという圧力。一方今日の農業新聞では飼料米が50万トンに及ぶという。日本の主食であったお米を飼料米にして、アメリカから買ったお米を日本人は食べろ、ということのようです。

 農産物も輸出、輸出と奨励していますが、日本の有機農産物や高級野菜など中国の富裕層が食べ、日本人は中国で作った安い農産物を食べればいい、と言う話と似ています。一体どうなっているのでしょうか。

 命に関わる農産物をこうまでしてもてあそび、なおかつ消費者や農家の命に対する不安に対しては何ら手を打とうとしないのは何故なのでしょうか。と考えるのですが国民的反応は今一鈍い、と思うのは私達だけなのでしょうか。

 猛暑続きの天候は、畑を干ばつに追い込んでいます。夏作もつは成りが落ちてきています。今は秋冬人参の種蒔き時ですが、この天候では発芽できません。灌水設備のある畑は何とかなりますが、冬人参が心配です。

 そして何故か田んぼはこれまでにない早い出穂です。これほど生育が進むのを見るのは私が農業を初めて以来のことです。地球的規模の温暖化、気象変動が起きていることは間違いないようです。30年後50年後に日本人の食べ物は安定して確保できるのか。安心できる食べ物であり得るのか。心配です。

                       おかげさま農場・高柳