この国のかたち・誰も責任をとらない

(産地の声)vol.1200 <この国のかたち・誰も責任をとらない> 2015.7.15

 

 かって司馬遼太郎さんは、「この国のかたち」の中で統帥権を持った軍部が天皇の名をかざして好き放題のことをした。そして実行者は一切責任をとらない国になっていったことを書いています。

 

 今日衆議院では自民党が単独採決をしたと聞いて、同じパターンで進む国なのかなあ、と思った次第です。集団的自衛権などと言う訳のわからない論法で憲法九条をないがしろにする行為としか思えません。小学生だって憲法九条を読めば軍隊を持たない国、戦争放棄の国だと言うことがわかります。

 日本の偉い人は日本語もわからないのか、と言う素朴な疑問をそのままに、採決ありきで進む国会とは誰のための機関なのでしょうか。

 一方、TPPの進展?で  アメリカは七万トンのお米を日本が買うことを約束する交渉が行われていると言います。既に、七〇万トンものMA米として買わされているというのに、更に買えという。国内米が余り日本の水田が荒廃し、経営は壊滅的な状況であるのに、です。余るからと国はお米を飼料米にと協力に推進しています。アメリカの要求をのむ形でお米を買い、自分のお米は動物の餌に回そうなどと言う発想がどうして出てくるのかわかりません。

 元自民党の重鎮が「集団的自衛権容認による日米同盟強化とは、つまるところ老いぼれた世界の警察官である米国が自分の力の衰えを補うために日本を警察犬として使うことである」という。

 首相は戦後レジュームなどと(これも訳のわからぬ)言うけれど、集団的自衛権にせよ、沖縄問題にせよ、TPPにせよ、米国の言いなり政治のように見えます。

 そして、誰も責任をとらない、と言うこの国のかたちなのかも知れません。

 今この国のあちこちでお祭りが行われています。そこに住む人の願い。祈願することは「天下泰平」「五穀豊穣」「家内安全」です。世界が泰平の世の中であって、今ある命に感謝して、その天地自然の恵みに感謝しつつ、地域の絆を大切にしていると思うのです。

 そうした市民の願いとは逆行する偉い人たちは何なのでしょうか。ギリシャが問題と言うけれど日本の方がはるかに二桁も多く赤字をこしらえているのではないのですか。しかも、年金問題や医療問題など事態は悪化へと進行しています。

 問題と言ったから問題で、問題と言わないから問題でないような世の風潮、マスコミもしかりでしょう。今日はきわめて政治的発言でした。では。

                         おかげさま農場・高柳