遺伝子組み換えについて

(産地の声)vol.1197                    2015.6.24

 

 私達は、有機農業と言うより化学物質をなくし、自然の摂理に基づいた野菜作りをしてきました。レイチェル・カーソンの沈黙の春という自然生態系に及ぼす化学物質の脅威、人間が作り出し自然の命を滅ぼす化学物質。それはいったん自然界に撒かれたら制御することはできない、と言う警告です。

 

 しからばどうであればいいのか、と言う道筋として福岡正信さんの自然農業=自然の摂理に沿った農業を目指してきたように思います。残念なことに時代はどんどん化学と科学の進展?によって殺虫剤や殺菌剤だけでなく除草剤と呼ぶ殺草剤の開発へと進み大地に撒かれています。

 更に遺伝子組み換え作物という時代に入っています。全ての草を枯らすと言われるグリホサート(商品名:ラウンドアップ)ある時、除草剤の試験をしていたらその中で生き残った大豆があった。雑草退治ができてしかも大豆には効かないので栽培が容易になる、と言うことで除草剤耐性大豆=ラウンドアップレディという大豆の誕生となったのです。

 以後その経験から大豆だけでなく菜種、コットン、甜菜、トウモロコシなどが開発され遺伝子組み換え作物が支配的になってきました。EUでは表示義務を課していますが日本ではなし、です。非関税障壁、TPPです。だから知らず知らずに日本人は大方が食べてしまっています。

 そして使い続けてきた結果、除草剤に効かないスーパー雑草が現れ始めたので更に毒性の強い除草剤が開発されています。それがベトナム戦争で使われた枯れ葉剤2,4Dとジカンバと言うものです。毒性が強く流出しやすいため周囲の農場や生態系に大きな影響与えることが危惧されていて、新遺伝子組み換え作物の登場で使用量が激増することを米国農務省も既に予告しているといいます。そのため米国環境庁は市民の反対を押しのけ残留許容量を大幅に引き上げました!

 1996年に始まった遺伝子組み換え作物の耕作から20年で、アレルギー、不妊、自閉症、糖尿病、甲状腺ガンなどが激増。その増加と遺伝子組み換えの因果関係が証明されたわけではないが、そこに強い関連があると指摘する研究が次々と発表されていると言います。米国の母親達の意識は大きく変わり全米172カ所で遺伝子組み換えに反対し、食品表示を求めています。

 枯れ葉剤まみれの遺伝子組み換え大豆、加工食品や飼料になって日本人も食べることになります。既に自給率数%なのですから。そしてTPPです。

                    おかげさま農場・高柳